口臭や歯周病を予防する
正しい歯石のとり方とは?
歯周病と口臭の原因である歯石を自分でとることはできませんか?という質問をよくいただきます。
自信で歯石をとることは可能ではあります。しかし、「口臭や歯周病の予防・改善」を目的としているのであれば、それは歯科医院で行うクリーニングでしか果たせません。
理由は「バイオフィルム」にあります。バイオフィルムとは口腔内に潜む細菌が膜のようになったもので、歯石同様、口臭や歯周病の原因になるうえ、バイオフィルムが固まると歯石が生成されます。
そのため口臭や歯周病を予防するためには、歯石だけではなくこのバイオフィルムを破壊する必要がありますが、バイオフィルムは何時間歯磨きをしても取りきることはできません。4割以上は歯に残ってしまい、寝ている間にさらに増殖します。
本日は口臭や歯周病の改善や予防が適切にできるよう、バイオフィルムを破壊し、健康的な口腔内を保つ方法をお伝えします。
1.口臭や歯周病を根本的に改善・予防する方法とは
歯石を取りたいと思う方の多くは、口臭や歯周病の改善や予防が目的ではないでしょうか。
歯石ももちろん口臭や歯周病の原因の1つではありますが、実は歯石をとるだけでは口臭や歯周病の改善や予防を果たすことはできません。
その理由は歯石のもとである「バイオフィルム」にあります。
バイオフィルムとは虫歯や歯周病菌を含む細菌の塊が口腔内に長時間留まって膜のようになったものです。その細菌が歯周病の原因になったり、ガスを発生して口臭を引き起こしたりします。
口腔内にいる細菌が長時間とどまり、膜のようになったのがバイオフィルムです。このバイオフィルムが口臭や歯周病を引き起こします。
つまり、口臭や歯周病の改善や予防の根本的な解決は、バイオフィルムを除去することで可能になるのです。
ただし、バイオフィルムはどんなに丁寧に歯磨きをしても60%しか落とすことができません。除去されず口腔内に放置されたバイオフィルムは歯石になり、さらに口腔内を悪化させていきます。
バイオフィルムが歯石になる仕組みはバイオフィルムが唾液中に含まれるカルシムやリンに反応して石灰化すると歯石になります。
バイオフィルムが歯石になったことで起こるデメリットとは
歯磨きでも落としきることができないバイオフィルムは、歯石へと変わっていきます。歯石の表面はざらざらとしているため、細菌などの汚れがより付着しやすく、また落としにくくなっています。つまり、歯石が生成されたことで、より細菌がとどまりやすい環境ができてしまうのです。
歯石その物の歯磨きでは落とすことができないため、歯石も細菌も口腔内にとどまり、さらに口臭や歯周病が進行するという悪循環に陥ってしまいます。
この悪循環を抜け出すには、歯石をとるだけではなく、歯石をとるだけではなく、バイオフィルムも除去する必要があります。口臭や歯周病を根本的に解決したい場合は、バイオフィルムの除去も必ず行うようにしましょう。
2.歯石があるか自分では確認できる?
ここまで歯石について説明してきましたが、実際に自分の歯に歯石が付いているかどうか確認する方法をお伝えします。
確認の仕方は非常に簡単で、舌の前歯裏や上の奥歯の頬側を注意してみるだけです。
もし、歯石が付着していた場合は歯科医院で自費のクリーニングを受けることをおすすめします。(歯石取りだけであれば保険のクリーニングでもできますが、保険のクリーニングは施術時間が短く、バイオフィルムまでは取り除くことができません。)
また歯石が見つからなかったという方もバイオフィルム倍が繁殖している可能性があります。
口臭や歯周病をこれ以上進行させない為に、また予防するために、口腔内を清潔に保つようにしましょう。