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2025.09.05

拡大床を使用する際に避けるべき食べ物や飲み物とは?

拡大床を使用する際に避けるべき食べ物や飲み物とは?
拡大床(かくだいしょう)は、子どもの歯並びや噛み合わせを整えるために広く使われている矯正装置のひとつです。成長期の柔らかい顎の骨に作用し、上顎または下顎の幅を広げることで歯がきれいに並ぶスペースを確保する目的で使用されます。
この装置は取り外しができる「可撤式(かてつしき)」ですが、1日に12~20時間程度の装着が求められ、食事のたびに外したり、取り扱いに注意が必要です。
そして、装置の効果を最大限に引き出すために忘れてはならないのが、「食べ物や飲み物への配慮」です。今回は、拡大床の使用中に避けたほうが良い食べ物・飲み物について、理由や代替案も含めて詳しく解説していきます。

拡大床使用中に避けるべき食べ物の特徴
装置を清潔かつ安全に保ち、口腔トラブルを防ぐためには、以下のような特徴をもつ食べ物に注意が必要です。
1. 固すぎるもの
例:せんべい、氷、ナッツ類、フランスパン、揚げ餅、ポップコーン など
理由:
固いものを噛むことで、装置のワイヤー部分や本体が破損するリスクがあります。また、装置を外していても、咬合に強い力がかかることで歯の位置に悪影響が出る可能性があります。
代替案:
やわらかく煮た野菜、サンドイッチ、バナナ、蒸しパンなど、歯にやさしい食感の食品がおすすめです。

2. 粘着性のあるもの(ネバネバ・くっつきやすい)
例:ガム、キャラメル、グミ、お餅、ねばねば納豆、あめ玉 など
理由:
装置にくっついて洗浄しにくくなるだけでなく、無理に剥がそうとすると壊れる恐れもあります。さらに、装着中に粘着性のあるものを食べると、装置のネジやバネに絡みついて細菌の温床になりやすいです。
代替案:
果物のゼリー、プリン、ヨーグルトなどは粘着性が少なく、装置に影響を与えにくいため安心です。

3. 糖分の多いもの・虫歯を引き起こしやすいもの
例:炭酸飲料、スポーツドリンク、果汁飲料、ケーキ、チョコレート、菓子パン など
理由:
拡大床は、歯や上顎にぴったりフィットする構造のため、糖分が装置の下に入り込むと、そこが虫歯の原因になりやすくなります。また、甘い飲み物を装着中に摂取すると、装置と歯の間に糖分が入り込み、ブラッシングしても取りきれないことがあります。
代替案:
水、麦茶、無糖の炭酸水などは装置への影響が少なく、虫歯リスクも抑えられます。甘いものを食べた後は、必ず装置を外して歯磨きをしましょう。

4. 装置に詰まりやすい食べ物
例:細かい米粒、とうもろこし、ごま、刻みねぎ、種のある果物など
理由:
細かい食べ物は装置のネジや金属部分に詰まりやすく、取り除くのが非常に困難です。詰まったまま放置すると、細菌が繁殖し口臭や虫歯の原因になる可能性があります。
代替案:
ご飯の場合はおにぎりや雑炊など、まとまりやすく散らばりにくい形にすると詰まりを軽減できます。

5. 色素の強いもの
例:カレー、コーヒー、紅茶、コーラ、ブルーベリー、ビーツなど
理由:
拡大床の素材は、色素を吸収しやすい樹脂製の部分もあるため、色素の強い食べ物や飲み物を摂取し続けると、装置が変色してしまうことがあります。見た目が汚れてくるだけでなく、衛生的にも良くありません。
代替案:
食べる際には装置を外し、食後はしっかりと水洗い・歯磨きを行いましょう。色素の強い飲み物はできるだけストローを使って歯に触れないようにすると安心です。

拡大床使用中の食事マナー:保護者がサポートすべきこと
お子さまが拡大床を使用する期間は、日々の食事習慣が治療の成功を左右するといっても過言ではありません。以下のポイントを意識して、保護者の方がしっかりサポートしましょう。
● 食事前には必ず装置を外す
食事中に装着したままだと、装置が汚れるだけでなく、噛み合わせに問題が出ることもあります。毎食前に外す習慣をつけましょう。
● 食後は歯磨きと装置の洗浄をセットで行う
歯磨きと同時に、装置も流水+歯ブラシで清掃し、専用ケースで保管するようにしましょう。
● おやつの管理
糖分や粘着性の高いスナック・駄菓子などを避けるよう、家族全体で理解し合うことが大切です。代わりに果物やヨーグルトなど、装置にやさしいおやつを選びましょう。

拡大床使用中でも楽しめる「やさしい食事」アイデア
具だくさんのスープやシチュー
煮魚、やわらかいハンバーグ
うどん、やわらかいパスタ
フルーツゼリー、プリン
卵焼き、茶碗蒸し
バナナ、すいか、キウイ(種なし)
無理に食べたいものを制限するのではなく、似たような味や食感で代替できる食品をうまく取り入れることで、ストレスを減らすことができます。

よくある質問(FAQ)
Q1. 拡大床を装着したまま飲み物は飲んでもいいですか?
→ 水や麦茶などの無糖飲料であればOKですが、糖分のある飲み物(ジュースやコーラなど)はNGです。糖分が装置に入り込み、虫歯リスクが高まります。
Q2. ガムを噛んでも大丈夫?
→ **NGです。**粘着性が高く、装置の破損や詰まりの原因になります。
Q3. アイスクリームは?
→ **食べすぎに注意しながら、装置を外した状態であれば可。**食後は装置と歯をきちんと清掃してください。

まとめ:食生活の見直しが、治療成功のカギを握る
拡大床の矯正治療は、お子さまの将来の歯並びや噛み合わせを健康に保つための大切なステップです。そしてその効果を最大限に発揮させるには、食べ物や飲み物への配慮が不可欠です。
避けるべき食材を把握し、日常生活の中で工夫していくことで、装置の破損や虫歯といったトラブルを回避できます。また、保護者のサポートによって、お子さまが前向きに矯正治療に取り組める環境を整えることが大切です。
「食」は健康の源。拡大床を正しく使いながら、バランスの取れた安全な食生活を心がけていきましょう。

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