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2026.02.17

ホワイトニング後の知覚過敏対策〜原因と予防法を歯科医が解説

ホワイトニング後の知覚過敏とは?

ホワイトニングに興味があるけれど、「歯がしみるのが怖い」と感じている方は多いのではないでしょうか。

実際、ホワイトニング後に冷たいものがしみる、歯がズキズキと痛むといった症状を経験される方がいらっしゃいます。これは「知覚過敏」と呼ばれる症状です。

知覚過敏とは、冷たい・熱い・甘いなどの刺激が歯に直接当たると痛みを感じる現象を指します。通常の歯はエナメル質に覆われているため、神経が剥き出しになることはなく刺激が与えられても痛みは発生しません。しかし、エナメル質が薄くなるか歯茎が後退して歯の根が露出すると、歯の神経に近い象牙質が外部の刺激に晒されやすくなります。

象牙質には「象牙細管」という細かい管状のものがあり、この管を通って刺激が神経に伝わることで痛んだりしみたりする仕組みです。

ホワイトニングによる知覚過敏は、多くの場合一時的な症状であり、適切な対策を講じることで予防・軽減が可能です。この記事では、知覚過敏が起こる原因から効果的な対策方法、予防のコツまで詳しく解説します。

しみる症状が続く場合はご相談ください

知覚過敏は一時的なことが多いですが、強い痛みや長引く場合は確認が必要です。初診は約30〜60分が目安です。

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ホワイトニングで知覚過敏が起こるメカニズム

歯の構造と知覚過敏の関係

私たちの歯は、一番外側をエナメル質、その内側を象牙質で覆われており、中心部分には歯の神経と血管から構成される「歯髄(しずい)」が分布しています。

健康な人の歯は、人体で最も硬いエナメル質が外からの刺激をしっかり遮断してくれるため、ホワイトニングで歯が痛むことはほとんどありません。けれども、何らかの理由でエナメル質に亀裂などが入っていると、ホワイトニング剤が象牙質までしみ込み、すぐ近くにある歯の神経を刺激してしまうことがあるのです。

ホワイトニング剤が知覚過敏を引き起こす理由

ホワイトニング剤の主成分は「過酸化水素」です。オフィスホワイトニングでは35%以下の過酸化水素、ホームホワイトニングでは主に10%の過酸化尿素が使われます。

過酸化尿素は尿素と過酸化水素に分解されるため、いずれの方法でも過酸化水素がホワイトニング剤の主成分といえます。

ホワイトニングで知覚過敏が起こるのは、主に歯の表面を保護する膜(ペリクル)が一時的に剥がれることが原因です。この膜は、歯を刺激から守る役割を果たしていますが、ホワイトニング剤がこの膜を溶かしながら歯に作用するため、一時的に象牙質が露出します。

エナメル質表層にホワイトニング剤を塗布すると、薬剤は徐々に象牙質内まで浸透していきます。すると象牙細管内では浸透圧により細管内液の移動が起こり、象牙芽細胞突起がこの移動をひずみとして感知します。最終的に神経伝達によって痛みとして脳に送られることで知覚過敏症状を生じると考えられています。

ホワイトニングで知覚過敏になる5つの原因

①ホワイトニング薬剤の濃度が高い

ホワイトニング薬剤の濃度が高すぎると、歯のエナメル質や象牙質へ過度に刺激が与えられ、歯の神経が外部の刺激に敏感になる可能性があります。

ホームホワイトニングでは薬剤の濃度が10~20%程度、オフィスホワイトニングでは30%程度の薬剤を使用することから、後者の方が知覚過敏の症状も現れやすくなります。また、ホワイトニング薬剤によって歯のエナメル層が剥がれることで細かい刺激に敏感となり、知覚過敏が引き起こされることもあるんです。

②歯周病で歯肉が下がり歯の根が露出している

歯周病が進行すると、「歯茎が下がる」という症状が現れます。専門的には歯肉退縮と呼ばれるもので、エナメル質のない歯根面が露出することから、ホワイトニング剤でしみるリスクが高まります。

歯周病は、歯肉の炎症や歯の根が部分的に露出している状態です。そのためホワイトニングをおこなうと、薬剤が歯の根の象牙質にある象牙細管を通して神経を直接刺激し、知覚過敏を引き起こす可能性が増加します。

③虫歯がある

虫歯がある状態でホワイトニングをすると、知覚過敏を発症することが多いです。

虫歯は、歯の表面を保護するエナメル質が溶けている状態のため、ホワイトニング薬剤が象牙質の象牙細管を通して神経を刺激することで、知覚過敏を発症します。虫歯菌が産生した酸によってエナメル質が溶かされると、象牙質がむき出しとなるため、ホワイトニング剤がしみやすくなります。

④歯が削れている

私たちの歯は、加齢によって削れて行きます。また、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある人には、「咬耗(こうもう)」という形で、歯の表面が削れて、象牙質が露出している場合もあります。

日常生活で歯ぎしりや食いしばりが癖になっていると、歯の表面にあるエナメル質が削られ、象牙質が剥き出しになります。象牙質が剥き出しの状態でホワイトニングをすることで、象牙細管を通って神経まで刺激が届き、知覚過敏となります。

⑤歯にひびが入っている

エナメル質の表面にひびが入っていることでもホワイトニングによる知覚過敏は起こります。漂白作用のある薬剤がひびの中に入り込んで象牙細管を伝い、歯の神経を刺激するのです。

歯に入ったひびは、薬剤や外部刺激が内部の象牙質に進入しやすくなるため、知覚過敏の原因となります。

知覚過敏はいつまで続く?症状の持続期間

ホワイトニングによって生じた知覚過敏の症状は、施術から24時間程度で治まるのが一般的です。

知覚過敏の症状は一時的な場合がほとんどですが、歯に異常がある場合には、症状が長引くこともあります。通常は24〜48時間以内に自然とおさまります。

それがいつまで経っても治まらなかったり、鎮痛剤を必要とするほど痛くなった場合は、施術を受けた歯科医院に相談しましょう。数日経っても痛みが強い場合は必ずご連絡ください。

ホワイトニング後の知覚過敏による痛みの対処法

ホワイトニング後に知覚過敏が生じた場合、以下の方法で症状を緩和できます。

①知覚過敏用の歯磨き粉を使う

市販の歯磨き粉には、「硝酸カリウム」が配合されたものがあります。硝酸カリウムは、歯の神経に伝わる刺激を抑える作用が期待でき、知覚過敏にも有効です。

硝酸カリウムは神経伝達の鈍麻作用により知覚過敏抑制効果を発揮します。また、フッ素が配合された歯磨き粉を使うことでもエナメル質を強くし、知覚過敏の症状を抑えやすくなります。フッ化ナトリウムなどのフッ化物は結晶化による象牙細管の封鎖作用により知覚過敏抑制効果を発揮します。

②冷たい飲食物を避ける

施術後24~48時間は、冷たい飲み物やアイスクリームなど刺激の強い食品を控えることで、症状を和らげることができます。

ホワイトニング直後は、エナメル質の過度な脱灰を防ぐために、酸性飲食物の摂取を控えるよう指導する必要があります。

③鎮痛剤を服用する

知覚過敏の症状が我慢できないほど痛い場合は、市販の鎮痛薬を服用しましょう。普段から飲み慣れているロキソニンなどで十分です。

ただし、ホワイトニングによる知覚過敏は、一時的な症状であり、鎮痛剤を必要とするほど持続するものではないことから、鎮痛剤の服用については念のために歯科医院に連絡しておいた方が良いでしょう。

④マウスピースの装着時間を短くする(ホームホワイトニング)

ホームホワイトニングの場合、装着時間を短くすることで、歯への負担を減らし、知覚過敏を軽減できます。

必要に応じてジェルの滞留時間を短縮することも効果的です。濃度の低いホワイトニング剤を採用する、ホワイトニングの時間を短くするなどの対処法もあります。

⑤歯科医院でコーティングしてもらう

歯科医院では、歯の表面に専用のコーティング剤を塗布して象牙質を保護する方法があります。この方法は、即効性があり、特に症状が強い場合に有効です。

露出した根面やヒビがある歯には薬剤が触れないよう保護することも重要です。施術後、しみが出やすい方には専用の鎮静剤を塗布したり、希望に応じてホームケア用の知覚過敏抑制ペーストも販売しています。

⑥知覚過敏抑制剤を使用する

知覚過敏抑制材には、ホームホワイトニングのカスタムトレーに薬剤を注入して装着するシリンジタイプや、薬剤があらかじめ塗布されているトレータイプがあり、いずれも15~60分間装着して使用します。

ホワイトニング後の知覚過敏による痛みの予防法

知覚過敏を予防するには、ホワイトニングを行う前から以下の対策を行うことが効果的です。

①施術前から知覚過敏用の歯磨き粉を使う

ホワイトニングの2~3週間前から、象牙質を保護する成分を含む歯磨き粉を使い始めることで、症状を軽減できます。

効果の発現時期を考慮すると、知覚過敏用歯磨剤を2週間程度先行して使用した後にホワイトニングを開始し、継続して使用いただくのが良いと思います。

②虫歯や歯周病の治療を先に済ませておく

歯に亀裂や虫歯がある場合、ホワイトニング剤が象牙質に直接作用して症状を引き起こしやすくなります。事前に歯科医院で治療を受けておきましょう。

極端に知覚過敏になっている歯や、虫歯がある場合は先に治療を行ってからのホワイトニングになります。ただし、歯の状態によっては、ホワイトニングができない場合もあります。

③ホワイトニング剤の使用方法を守る

ホワイトニングの効果を最大限に高めるためには、治療期間中は色の濃い食べ物や飲み物を控えることが大切です。

自宅でホワイトニングを行う場合は、事前の説明に従って使用方法を守っていただくことが必須です。歯科医師と相談し、自分に合った濃度の薬剤を選ぶことで、症状を軽減できます。

④施術前のチェックとカウンセリングを受ける

しみやすい傾向があるか、生活習慣や口腔内の状態を確認することが重要です。必要に応じてレントゲンや口腔内写真を用いてご説明します。

普段から冷たい飲み物で歯がしみることがある、歯ぎしり・食いしばりの癖がある、歯周病や歯肉退縮がある(歯の根が露出している)、エナメル質が薄い・削れている、過去に自宅用の強いホワイトニング剤で痛みを感じたことがあるといった方は、ホワイトニング時にしみを感じやすい傾向があります。

このような方でも、歯科医院で事前にチェックし、対策を講じることで安全にホワイトニングを受けられる場合がほとんどです。

愛彩デンタルクリニックでの知覚過敏対策

当院では、ホワイトニングを希望されるすべての方に対して、安心して施術を受けていただけるよう、以下のような対応を行っています。

施術前の丁寧なカウンセリング

しみやすい傾向があるか、生活習慣や口腔内の状態を確認し、必要に応じてレントゲンや口腔内写真を用いてご説明します。

患者さまの歯の状態に合わせて、最適なホワイトニング方法をご提案します。

しみにくい薬剤の選定

濃度や性質の異なる複数の薬剤からしみにくい処方を使用し、必要に応じてジェルの滞留時間を短縮します。

患者さまの歯の状態に合わせて、最も適した薬剤を選択することで、知覚過敏のリスクを最小限に抑えます。

保護材の使用と知覚過敏抑制剤の塗布

露出した根面やヒビがある歯には薬剤が触れないよう保護し、施術後、しみが出やすい方には専用の鎮静剤を塗布します。

希望に応じてホームケア用の知覚過敏抑制ペーストも販売しています。

施術後のアフターフォロー

施術後に軽度のしみが出た場合は、冷たい飲み物・食べ物を避ける(24時間程度)、歯磨きは刺激の少ない知覚過敏用の歯磨き粉を使用する、就寝時の食いしばり対策(マウスピースのご相談も可能)などの対応をお伝えします。

数日経っても痛みが強い場合は必ずご連絡ください。

まとめ|安心してホワイトニングを受けるために

ホワイトニングで「しみる」ことを過度に心配している方は多いですが、すべての方に強く出るわけではありません。

適切な診断と処置をすれば、しみにくく、安全に白さを実感できる方法はあります。知覚過敏は、事前の確認と適切な対策でほとんど予防・軽減が可能です。

ホワイトニングによる知覚過敏は、多くの場合「一時的な知覚過敏」です。これは歯が健康であっても起こり得る生理的な反応であり、通常は24〜48時間以内に自然とおさまります。

当院では、患者さまが安心してホワイトニングを受けられるよう、施術前のチェックとカウンセリング、しみにくい薬剤の選定、保護材の使用、知覚過敏抑制剤の塗布など、きめ細やかな対応を行っています。

「今の自分の歯の状態に合ったホワイトニング」を一緒に考えてみませんか?白く美しい歯を手に入れるために、まずはお気軽にご相談ください。

ホワイトニングに関するご相談は、愛彩デンタルクリニックまでお問い合わせください。

あなたの笑顔がより輝くよう、私たちが全力でサポートいたします。

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監修者情報

中村 貴美男(NAKAMURA Kimio)

資格・所属学会

  • ICOI 国際インプラント認定医

  • 顎咬合学会認定医 

  • 日本歯周病学会 会員

  • MID-G会員、PGI会員、成人矯正学会会員、山梨インプラント研究会会員、ホワイトニング研究会会員、日本歯科レーザー学会会員

  • プロフィール

    2017年まで東京歯科大学附属 千葉病院にて臨床研修を修了後、同大学大学院 歯学研究科(歯周病学専攻)に進学。歯周病・矯正・インプラント治療など幅広い領域で豊富な臨床経験を有する歯科医師です。

  • メッセージ(監修者から読者へ)

    「患者様の笑顔を何より大切に — お口の悩みから解放され、自信を取り戻せるよう、最新の知見と丁寧な診療でサポートします。」

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