インプラントの寿命は何年?長持ちさせる条件と注意点を解説

インプラントの寿命について知っておきたいこと
インプラント治療を検討されている方にとって、「どのくらい持つのか」は最も気になる点の一つでしょう。
インプラントは「第3の歯」とも呼ばれ、天然歯に近い機能と見た目を回復できる治療法です。しかし、どんなに優れた治療でも永久に使えるわけではありません。
実は、インプラントの寿命は患者様ご自身のケアや定期的なメンテナンス、そして治療時の条件によって大きく変わってきます。適切な管理を行えば、20年以上も機能を保つことができる一方で、ケアを怠ると数年で問題が生じることもあるのです。
この記事では、ICOI国際インプラント認定医として多くの症例を診てきた経験から、インプラントの寿命に関する正確な情報と、長持ちさせるための具体的な方法をお伝えします。
インプラントの平均寿命と他の治療法との比較
インプラントの平均寿命は、一般的に10年以上とされています。
適切なメンテナンスを行った場合、治療から10年経過後の残存率は9割以上にも及ぶというデータがあります。さらに、7割以上が20年以上使われているという報告もあり、長期間の使用が期待できる治療法です。

入れ歯やブリッジとの寿命の違い
他の治療法と比較すると、インプラントの優位性が明確になります。
入れ歯の寿命は1〜2年程度、ブリッジは5年程度で使えなくなってしまうことが多いため、寿命の面ではインプラントが最も長いといえます。また、インプラントは自然の歯に近い素材を使用することから、入れ歯やブリッジに比べて審美性の高い仕上がりが期待できます。
ただし、インプラントは保険適用外のため、初期費用は高額になりやすいというデメリットがあります。しかし、長期的な視点で費用対効果を考えると、インプラントに優位性があると考えることもできるでしょう。
前歯と奥歯で寿命に差はあるのか
インプラントの寿命は、埋入した箇所や歯並びによって異なる場合があります。
一般的には、噛む力が強い奥歯(大臼歯部)は負担がかかりやすいぶん寿命も短い傾向にあるとされていますが、実際は歯並びや噛み合わせによってケースバイケースです。定期的に歯科医院のメンテナンスを受け、噛み合わせなどを調整してもらうことが、インプラントの寿命の延伸につながります。
出典アイデンタルクリニック「インプラントの寿命はどれくらいなのか?メンテナンスや再手術について」より作成
インプラントの寿命を縮める主な原因
インプラントが早期に機能を失ってしまう原因はいくつかあります。
これらの原因を理解し、適切に対処することが長持ちさせる鍵となります。

インプラント周囲炎(細菌感染)
最も注意すべきなのが、インプラント周囲炎です。
これは、インプラントとその周囲の骨組織に影響を与える細菌による感染症です。プラーク(歯垢)の蓄積によって誘発され、インプラントの安定性の喪失をもたらすことがあります。定期的な歯周メンテナンスと清潔な口内環境の維持が非常に重要です。
インプラント周囲の骨が溶けてしまった場合でも、それが軽度の2mm~4mmで対処したら、多くのインプラントは健康な状態になりますが、重度の骨吸収である7mm以上に進行してから治療を開始したインプラントは、わずか22%しか健康な状態にならず、多くのインプラントは3か月以内に除去に至ったという報告があります。
メンテナンス不足による問題
適切な口腔内の衛生が保たれていないと、プラークとターター(歯石)の蓄積を引き起こします。
これがインプラント周囲組織の炎症へと進行する原因となります。継続的な専門医のケアと自己管理が不足してしまうと、オッセオインテグレーション(骨との結合)の破壊を引き起こす可能性があります。
大切なことをお伝えします。インプラントに問題が出ても痛みはありません。ご自身では気付かないと思ってください。もう一度言いかえます。インプラントの周りの骨が溶けても痛みのシグナルはありません。異変に気付くのは、知識のある歯科医と歯科衛生士です。
歯ぎしりや食いしばりの影響
歯ぎしりや食いしばりは、インプラントに対して過度の機械的ストレスを加えます。
インプラント周囲の骨構造に過剰な力が与えられてインプラントが動きやすくなり、最終的にはオッセオインテグレーションの失敗に繋がります。夜間のマウスガードの使用が有効な介入策となる場合があります。
喫煙がもたらすリスク
喫煙は、インプラント周囲組織の血流減少を引き起こし、組織の酸素化と栄養供給を損ないます。
これにより、治癒プロセスが遅延し、オッセオインテグレーション(骨との結合)の過程が妨げられ、感染リスクが高まります。研究によれば、非喫煙者のインプラント脱落率が3.56%であるのに対し、喫煙者の脱落率は7.14%であり、喫煙者の脱落率が有意に高いことが示されています。
インプラント体の質と治療技術
インプラント体の材質、デザイン、表面特性などは、インプラントの寿命に影響を与えます。
高品質なインプラントは、骨との密接な結合が可能ですが、質の低いインプラント体は、適切な骨結合を達成することが困難であり、機能不全や早期失敗のリスクを高める可能性があります。適切なインプラント選択は、専門的知識と厳格な臨床基準に基づいて行う必要があります。
出典明敬会歯科「インプラントの寿命は何年?平均寿命や磨耗の原因、壊れてしまった後の対処法」より作成
インプラントを長持ちさせるための5つの条件
インプラントの寿命を延ばすには、いくつかの重要なポイントがあります。
これらを実践することで、平均寿命を大きく超えて使い続けることも十分に可能です。

定期的なメンテナンスを欠かさない
最低でも年2回、できれば3ヶ月に1度のメンテナンスを受けましょう。
目的は、歯肉炎のチェック、不調の確認です。インプラント体が骨から抜け落ちてしまうインプラント周囲炎の原因は、歯周病にあります。歯周病を防ぐには、毎日の歯磨きはもちろんですが、自分では落としきれない汚れを落とすことが欠かせません。
歯科医院での定期メンテナンスでは、インプラント専用の超音波スケーラーチップを使い、金属やセラミックを傷付けないよう徹底的な清掃を行います。また、インプラントやインプラント周囲組織に異常がないか検診も行ないます。問題があれば早めに対処できる機会を得ることができます。
正しいブラッシング方法を身につける
日頃の歯磨きは非常に重要です。
特に人工歯のまわりは、健康な歯と比べて汚れがたまりやすく、トラブルの原因になりやすくなります。毎日きちんと歯磨きをしているからと言って、必ずしも十分な歯磨きができているとは限りません。正しくブラッシングができているか、定期的に歯科医師や歯科衛生士にチェックしてもらうことをおすすめします。
喫煙習慣を見直す
喫煙は、さまざまな病気のリスクを高めますが、インプラントにも影響し、寿命を短くする原因となりかねません。
一般的に、喫煙回数が多い場合、インプラント体が骨と結合する確率が下がってしまうと言われています。また、接合するまでの時間が長くなるなど影響も出てしまうようです。たとえインプラント体と骨がうまく結合したとしても、喫煙習慣による血流の悪化が影響して、歯周病の感染リスクが高くなるとも考えられています。
口腔ケアの観点からも、喫煙回数は減らした方が良い結果につながると言えるでしょう。
歯ぎしり対策を行う
インプラント体が骨に接合しているからと言って、天然の歯に比べるとインプラントは衝撃に弱いため、過度な負荷は禁物です。
歯ぎしりをしてしまう人や強く歯を食いしばる人は、インプラントの破損や歯周炎の原因となりかねないため、ご注意ください。歯ぎしりに関しては、医師に相談してマウスピースを着用するなどの対策が可能ですから、お近くの医院に相談されることをおすすめします。
信頼できる歯科医院で治療を受ける
インプラントの寿命は、治療時の技術によっても大きく左右されます。
術前の精密な評価と計画、適切なインプラント体の選択、正確な技術が重要です。全身疾患や喫煙などのリスク因子を考慮に入れ、健康状態を診断します。健康状態と併せ、顎骨の量についても診断します。適切な骨の量と質はオッセオインテグレーションの基礎であるため、必要に応じて骨再生手術を行うことで、インプラントの安定性を向上させます。
信頼できる歯科医院で治療を受け、長期保証を約束している一流メーカーのインプラントを使用することで、安心してインプラントを使い続けられるでしょう。
出典大阪デンタルクリニック「インプラントの寿命は10年?20年?寿命が来てしまった時の対処法」より作成
インプラント治療における重要な注意点
インプラント治療を成功させ、長く使い続けるためには、いくつかの注意点があります。
これらを理解しておくことで、より安全で確実な治療を受けることができます。

治療前の精密検査の重要性
より安全かつ適切にインプラント治療を行うために、顎の骨の状態を詳しく調べることが必要です。
CTで、X線とコンピューターを使って体の断面を輪切りの状態(断面画像)で見ることで、顎の骨の形態、大きさ、神経や血管の位置などを確認します。人それぞれで顔や性格が違うように、お口の中もそれぞれ状態が異なります。精密検査を行うことにより、より安全な治療を行うことができます。
骨の状態とインプラントの寿命
インプラントは「植える」治療です。
植物を土に植えるように、土壌がしっかりしていれば植物が健康に立派に大きく育つように、インプラントも土台となる骨がしっかりしていれば、予後がしっかり見込めます。
最も長持ちするインプラントというのは、抜歯した後、6ヶ月待って完全に骨が治ってから行った場合であることがわかっています。インプラント体と骨の間に2ミリ以上の距離があると、骨は完全にインプラント周囲をカバーしなくなるため、骨とインプラントとの結合が弱くなり、当然インプラントの寿命は短くなります。
保証制度について理解する
インプラントには、一定期間の保証が設けられていることが一般的です。
患者様のインプラント治療に対する不安を取り除くとともに、経済的な負担を和らげることが目的です。具体的には、インプラント治療後に、何らかの理由でインプラントが破損・脱落してしまった場合に保証が適用されます。
ただし、保証を受けるには条件があります。保証期間内であること、定期的なメンテナンスを受けていること、日常生活による破損・脱落であること、医師の生活指導に従っていることなどが一般的な条件です。保証には、3カ月に1度のメンテナンスを受けていただくことが必須条件になります。メンテナンスにお越しになられなかった場合は、保証制度対象外となりますので、どうぞご注意ください。
治療期間と歯がない期間について
インプラントで歯がない期間は、一般的に3〜4ヶ月です。
これは、インプラント治療では歯を抜いてからインプラント体(人工歯根)を埋めるまでにいくつかの過程があるためです。歯がない期間の目安は、1〜2本のインプラントで3〜4ヶ月、あごの骨の量がじゅうぶんでなく増骨(骨造成)が必要な場合は骨造成に6〜10ヶ月+インプラントに3〜4ヶ月です。
また、インプラントの本数が多い場合などは、歯がない期間が延びることがあります。なお、オールオン4の場合は歯を抜いたその日のうちに仮歯を入れることができるため、歯がない期間は0日です。
出典町野歯科「インプラントの保証期間はどれくらい?保証の条件や確認すべきポイント」より作成
インプラントの寿命が来たときの対処法
どんなに丁寧にケアをしていても、いつかは寿命が来る可能性があります。
その際の対処法を知っておくことで、慌てずに適切な対応ができます。

上部構造(人工歯)の劣化
インプラントは、土台となるインプラント体を骨と結合させ、その上にかぶせ物である人工歯を装着する構造となっています。
人工歯が欠けてしまった場合は、修理・取り換えが必要です。人工歯は破損しやすいので、保証期間も短めに設定される傾向にあります。「人工歯は5年保証、アバットメントとインプラント体は10年保証」といったように、個別に保証期間が設けられることも珍しくありません。
インプラント体の脱落
インプラントのトラブルで多いのが、骨に埋め込んだインプラント体そのものが抜け落ちてしまうケースです。
原因はいくつかありますが、1つが周囲炎による炎症によるものです。普段の口腔ケアを怠ってしまったことで、歯周病を原因するインプラント周囲炎が発生し、骨が溶け出してインプラント体が抜け落ちてしまうトラブルです。
他にも、インプラント体に負担をかけてしまうケースとして多いのが、かみ合わせの不具合です。歯ぎしりが激しい人などは注意が必要です。また、治療時のインプラント体の埋め込みが適切でなかった場合にも、同様のトラブルが起こる可能性があります。インプラント体が骨から抜け落ちてしまった場合は、再手術が必要です。
再手術の可能性と注意点
インプラントが失敗した場合でも、再手術によって再びインプラントを埋入することは可能です。
ただし、骨の状態や周囲組織の健康状態によっては、骨造成などの追加治療が必要になる場合があります。再手術を成功させるためには、前回の失敗原因を明確にし、それを改善することが重要です。
また、再手術までの期間は、骨の治癒状態によって異なりますが、一般的には数ヶ月から半年程度の期間が必要となります。
愛彩デンタルクリニックのインプラント治療
当院では、インプラント治療において最も重要な「長期的な成功」を第一に考えています。
ICOI国際インプラント認定医として、豊富な実績と専門的な知識を持つ歯科医師が、責任を持ってカウンセリングから手術、そしてメンテナンスまでを行います。
安全性を最優先した治療体制
当院では、歯科用CTを用いた3次元的な診査診断を行い、顎の骨の形態、大きさ、神経や血管の位置などを詳しく確認します。
これにより、より安全かつ適切にインプラント治療を行うことが可能です。また、口腔外科の専門的な知識と技術を持つ歯科医師が治療を担当することで、リスクを最小限に抑えた治療を提供しています。
長期保証制度で安心をサポート
患者様に安心してインプラント治療を受けていただけるように、治療後5年間の保証制度を設けています。
5年以内に、万が一埋入したインプラントに支障が生じた場合は、全て無料にて再治療を行います。ただし、保証には、3カ月に1度のメンテナンスを受けていただくことが必須条件になります。
完全個室でプライバシーに配慮
当院は、プライバシーに配慮した個室のカウンセリングルームや個室の診療室を完備しており、周りの目を気にすることなく治療を受けることが可能です。
また、常に清潔感があり落ち着いた空間を維持できるよう努めている他、感染対策も徹底しています。滅菌対策や感染対策を徹底し、常に清潔感のある院内環境を維持しています。
まとめ:インプラントを長く使い続けるために
インプラントの寿命は、適切なケアとメンテナンスによって大きく変わります。
平均寿命は10年以上、適切な管理を行えば20年以上も機能を保つことができる一方で、ケアを怠ると数年で問題が生じることもあります。
最も重要なのは、定期的なメンテナンスを欠かさないことです。3ヶ月に1度の定期検診で、インプラント周囲炎などの問題を早期に発見し、対処することができます。また、日々の正しいブラッシング、喫煙習慣の見直し、歯ぎしり対策なども、インプラントの寿命を延ばす重要な要素です。
そして、信頼できる歯科医院で治療を受けることも大切です。術前の精密な評価と計画、適切なインプラント体の選択、正確な技術が、長期的な成功につながります。
インプラント治療をご検討の方、現在インプラントをお使いの方で気になることがある方は、お気軽にご相談ください。愛彩デンタルクリニックでは、無料相談を実施しており、患者様一人ひとりに最適な治療計画をご提案しています。
あなたの笑顔のために、私たちは最善を尽くします。
監修者情報
中村 貴美男(NAKAMURA Kimio)

