「矯正治療に痛みはつきもの」とイメージされる方も多いのではないでしょうか。マウスピース矯正で痛みを感じ、治療を続けられるか心配な方もいらっしゃるでしょう。
本コラムでは、マウスピース矯正で痛みを感じる期間や痛みを和らげる方法を解説します。
マウスピース矯正の痛みが引く期間は長くて1週間程度
マウスピース矯正では、歯に持続的に適度な圧力をかけ、歯の位置を徐々に動かして矯正します。歯に圧力がかかるため、歯の周りの組織が緩み始め、歯や歯茎に痛みを感じる方は少なくありません。痛みのピークは大体3〜4日目ですが、1週間以内には痛みが引く場合がほとんどです。
また、マウスピース装着時の痛みや違和感は、マウスピース交換直後に感じるケースがほとんどです。さらに、アタッチメントなどの補助装置を取り付けた際も、歯に圧力がかかるため痛みを感じる場合があります。マウスピース交換後の痛みが苦痛に感じる場合は交換は夜寝る前がお勧めです。
歯茎が痛む場合は、マウスピースが歯茎に触れている可能性があります。放置すると、歯茎が傷ついたり口内炎ができたりするケースもあるため、痛みがある場合は我慢せずに歯科医師に相談しましょう。マウスピースを調整すると痛みが和らぐケースがあります。
マウスピース矯正で痛みが辛い時の対処法
マウスピース装着時の痛みは、以下のような方法で緩和できます。
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•マウスピースを一時的に外す(外す時間が長い場合は後戻りの原因になります)
•痛み止めを飲む
•硬いものを噛まないようにする
痛みが辛い場合は、一時的にマウスピースを外すのも緩和方法の1つです。しかし、マウスピース矯正では決められた装着時間を守る必要があるため、マウスピースを外す場合は歯科医師に相談してください。医師の判断によっては、痛み止めを服用しながら装着時間を徹底する場合もあります。
マウスピースの取り外しの場合に痛みを伴いう場合はアタッチメントの研磨を行うことで痛みを緩和することが出来ます。歯科医師に相談してみてください。
また、マウスピース矯正中は、歯根と骨の間にある歯根膜が敏感になるため、食事中に硬いものを噛むと痛みを感じるケースがあります。食べ物を噛んだ際に痛みを感じる場合は、柔らかい食材を使ったり調理法を工夫したりすると、食事中のストレスを緩和できます。
歯や歯茎に強い痛みを感じることで、食事や睡眠の妨げとなったり、ストレスを感じる場合は、ぜひ歯科医師に相談してください。症状に応じた対処で痛みを緩和しながら、理想的な歯並びを目指しましょう。
歯の移動に伴い一時的に知覚過敏の現症が起こる場合があります。冷たいものがしみる場合は極端に冷たいものの摂取を一時的に控えていただきます。
<患者さんからよくいただく質問>
- Q.1 ワイヤー矯正とマウスピース矯正はどちらが痛いですか?
- A.1 痛みの感じ方は人それぞれですが、マウスピース矯正は歯を少しずつ動かすため、ワイヤー矯正に比べて痛みを感じにくいとされています。
- Q.2 痛みが強い場合は、マウスピースを長時間外したまま過ごしてもよいですか?
- A.2 長時間マウスピースを装着せずに過ごすのは避けましょう。マウスピースを装着しない状態が続くと、歯の位置が動きマウスピースが装着できなくなります。よって、矯正治療が計画通りに進まなくなるケースがあります。