マウスピース矯正で起こりやすいトラブルと対処法
「マウスピース矯正を始めたいけど、あらかじめどんなトラブルが起こるのか知りたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。多くの方が経験するであろうトラブルとその対処方法について解説していきます。
マウスピースを破損・紛失したらどうすればいい?
マウスピースの破損は、矯正を始めたばかりのころに起こりやすいトラブルの一つです。
そこで、マウスピースを破損・紛失してしまった場合の対処方法を確認してみましょう。
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• マウスピースに亀裂がある場合やマウスピースが完全に割れた場合や紛失した場合:新しいマウスピースに交換
• マウスピースが歯ぎしりにより穴が空いた場合:そのまま使用
ただし、マウスピースを装着しないで過ごすと後戻りの原因となります。装着しないままで過ごさずなるべく早く歯科医院に連絡を行って下さい。
※ひとつ前の段階のマウスピースを装着して過ごすように指示される場合があるので、交換後も捨てずにマウスピースを保管しておいてください。
アタッチメントが外れてしまった!
アタッチメントとはマウスピースを固定したり、歯を動かしたりする突起物です。矯正期間中は装着しておき、保定期間に移行する際に外します。
矯正期間中にアタッチメントが取れてしまった場合は次回の受信まで経過観察を行いますが、ゴムをかけるためのボタンが外れた場合はすぐに歯科医院への連絡を行います。受診後、ボタンをつけ直しゴムかけができるようにします。
強い痛みがある・虫歯を治療したいときはどうすればいい?
マウスピースを装着してすぐは圧迫感や痛みが生じやすいものです。しかし、数日経つと自然に消えるので、まずは様子を見てみましょう。
もし鋭い痛みや大きな違和感をともなうようであれば、すぐにクリニックへ連絡してください。
また、矯正期間中であっても、小さな虫歯なら治療可能です。
ただし、虫歯や歯周病が進行して神経の治療が必要になった場合では治療が優先され、矯正治療はストップします。
歯磨きだけでなく、定期的な検診やクリーニングも行い、歯の健康を意識しましょう。
マウスピース矯正中のトラブルは適切に対処しよう
基本的にマウスピース矯正中は、食事以外の時間帯は装着したまま過ごします。毎日長時間使用するのでトラブルが起こりやすいでしょう。
そのため、適切な対処法を事前に知っておけば、安心して矯正治療に取り組めます。歯列矯正について気になることがあれば、矯正治療を始める前に歯科医に質問しておきましょう。
<患者さんからよくいただく質問>
- Q.1 寝ている間にインビザラインが外れることはありますか?
- A.1 インビザラインは歯に密着するように設計されているため、
基本的に就寝中に外れることはありません。 - Q.2 妊娠中でもインビザライン治療はできますか?
- A.2 妊娠中でもマウスピースを着用することは問題ありませんが、
つわりの強い方だとマウスピースをはめるのが難しい場合があります。
体調に合わせて適切なアドバイスをおこないますのでご相談をお願いします。
インビザラインで歯列矯正を始める前に知っておきたいQ&A
インビザラインとは、歯列矯正におけるマウスピース矯正やマウスピース型矯正装置のことを指します。「インビザラインでの矯正治療を検討しているけど、イメージがつかめない」と感じている方は多いのではないでしょうか。
そこで、インビザラインで歯列矯正を始める前に、知っておきたいQ&Aについてお伝えしていきます。
マウスピース矯正って痛いの?装着時間はどのくらい?
マウスピース矯正中は、以下のような痛みを感じることがあります。
- • 歯が動くことによって生じる痛み
• 食べ物を嚙んだ時に上下の歯が触れ合って感じる痛み
通常、マウスピースの装着開始から数日経てば、自然と痛みは消失します。自己判断で痛み止め薬を常用したり、マウスピースの装着を中断したりしないようにしましょう。
もし我慢できないほどの痛みを感じるようであれば、かかりつけの歯科医に指示を仰いでください。
抜歯は必要なの?
日本人は顎が小さく、歯の並ぶスペースが少ないため、矯正治療の過程で抜歯が必要となる方が多いです。
主な抜歯箇所は親知らずか第一・第二小臼歯で、矯正治療開始前に抜歯を行います。
抜歯の後の状態が問題なければすぐに矯正治療開始となります。
ただし、抜歯せずに歯を削ったり、スクリューを使用したりする場合も少なくありません。矯正開始前に抜歯が必要な状態なのか、歯科医で確認することが大切です。
後戻りするとどうなるの?
矯正治療終了後の歯は不安定なので、すぐに元の位置に戻ろうとします。
歯の後戻りを防ぐには、リテーナーが必要であり、たった半日さぼるだけで後戻りが始まってしまうでしょう。
大きく後戻りすると再矯正が必要な場合も珍しくありません。
さらに費用がかかる原因となるため、矯正期間終了後も医師の指示通りにリテーナーをつけるようにしましょう。
また、1日20時間以上の装着が必要ですが、時間経過と共に医師の判断で装着時間が短くなっていくこともあります。
安心してインビザラインで歯列矯正を始めよう
インビザラインで理想の歯並びを目指したい場合、比較的長い期間にわたって治療が必要となります。
快適にインビザライン治療が行えるように、気になる疑問点はしっかり解消したうえで治療を開始しましょう。
<患者さんからよくいただく質問>
- Q.1 リテーナーのお手入れはどうしたらいいのでしょうか?
- A.1 マウスピースタイプでしたらやわらかめの歯ブラシで水洗いしてください。
もしも着脱できないタイプでしたら、歯磨きを丁寧に行うようにしましょう。
定期的に洗浄剤の併用もおすすめします。 - Q.2 リテーナーをつけていれば後戻りしないのですか?
- A.2 リテーナーをつけていても、頬杖をついたり、うつ伏せで寝たりすると後戻りする場合があります。普段の過ごし方に注意しましょう。
矯正治療の期間を短縮??光型加速装置とは
◎光型加速装置とは?
光型加速装置とは簡単にいうと、光の効果を利用して歯の動くスピードを早めるマウスピース型の装置です。
お口に装着すると「近赤外線」という光が照射される仕組みになっており、これを毎日一定時間続けると歯の移動スピードが速くなり、治療期間を短縮することができます。
近赤外線は太陽光線に含まれる光の一種で、私たちの身近なものではテレビのリモコンや赤外線カメラなどに利用されています。
光型加速装置に使用されるのは、これとは異なる医療用に改良された近赤外線で、皮ふや粘膜の近くで照射すると光が奥深くに浸透し、細胞を働きを活発にしていきます。そして医療用の近赤外線は矯正治療のほかにも、外傷や骨折の治療、シワ取りなどの美容治療、さらに近年はガン治療でも応用されています。
◎期待できる効果
加速装置には矯正治療の期間短縮と、治療中の痛みの緩和の2つの効果が期待できます。
なぜ加速装置を使うと治療期間を短くできるかを知るために、まずは矯正治療で歯が動く仕組みについて簡単に解説していきます。
歯の根っこは”歯槽骨”という硬い骨に囲まれていますが、根っこに一定の力を加えると、押された方向にある骨が溶け、その反対側には新しい骨が作られます。
矯正治療はこの骨の吸収と添加の繰り返しによって、歯を少しずつ動かしていきます。
これを専門的に”リモデリング”といいますが、加速装置から照射される近赤外線には歯の周囲の細胞を活性化させ、リモデリングのサイクルを早める効果があります。
これにより歯が動くスピードが上がり、治療の期間を短くすることができるのです。
また歯がスムーズに動くようになると、それに伴う痛みも少なくなります。
◎副作用やデメリットは?
光型加速装置のように医療用に応用された近赤外線はその安全性が認められているため、使用法や使用時間を守れば副作用などの心配はありません。
しいてデメリットを挙げるとするならば、加速装置は毎日続けて使わないと効果がないことと、使用に際しては費用が別途かかることの2つが考えられます。
以上をふまえ、加速装置にご興味のある方はお気軽に当院までご相談ください。
マウスピース矯正で歯並びが変わるまでの期間はどれくらい?
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを定期的に交換して歯の位置を動かしていく矯正方法です。本記事ではマウスピース矯正を行った場合の治療期間や、矯正中の日常生活の注意点についてお伝えします。
マウスピース矯正の流れと治療期間
まず最初に、マウスピース矯正の流れを確認してみましょう。
- 1. 検査を受ける
- 2. 検査結果の報告を聞く
- 3. マウスピース矯正を開始する
- 4. アタッチメントなど器具を取り外して矯正治療が終了する
- 5. 保定器具を装着して保定期間へ移行する
検査から治療が開始するまで、最短でも1ヵ月かかる歯科医院が多いです。
また、マウスピース矯正は、1枚のマウスピースで0.25mmずつ歯が移動するとされています。治療期間は部分矯正なら3カ月~1年弱、全体矯正なら1~2年弱かかるでしょう。難しい症例の場合だと、さらに期間が長くなる場合があります。
さらに矯正後の保定期間は、矯正治療と同じくらいの期間を必要とします。全体矯正をした場合、保定期間を含めた治療期間は2~4年程度を見込んでおきましょう。
当院では、希望により部分的な補正も行います。金額や期間はお口の中の状況により異なりますので、マウスピース矯正を検討している方はぜひご相談ください。
矯正期間中の日常生活における注意点
食事の際はマウスピースを外すので、食事に関する制限はありません。しかし、飲み物の制限がある点に注意してください。
- ・コーヒーや赤ワインなど色味が強い飲み物は着色汚れがつきやすい
- ・高温の飲み物はマウスピースが変形するおそれがある
- ・ジュースなど砂糖が多い飲み物は虫歯の原因になる
着色汚れや変形を防ぐため、飲み物は常温か冷たい水を選ぶようにしましょう。
また、矯正治療中は唾液の分泌量が減って食べ物が歯に挟まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが上がります。
歯磨き以外にフロスや歯間ブラシを使用したり、歯科医院でのクリーニングも取り入れたりしてください。
保定期間とはどういうもの?
保定期間とは矯正治療によって移動した歯の後戻りを防ぐ期間です。保定期間中もマウスピースを装着しなければなりません。マウスピース矯正だけでなく、ワイヤー矯正であっても保定は必要です。
保定期間中にマウスピースの装着をやめると、歯が元の位置に戻ってしまうだけでなく、元の歯並びよりもひどくなる場合もあります。
後戻りを防ぐため、保定期間中もマウスピースの装着はしっかり行いましょう。
マウスピース矯正で理想の歯並びに!
マウスピース矯正は、後戻りを防ぐ保定期間も含めて3~4年ほどかかります。
日常生活における注意点も守り、健康的で美しい歯並びを目指しましょう。
<患者さんからよくいただく質問>
- Q.1 歯並びが悪いと矯正期間は長引きますか?
- A.1 歯並びが悪いからといって、必ずしも矯正期間が長引くとは限りません。前歯を中心に矯正するケースでは、矯正期間が数カ月で済む場合があります。
当院では、何パターンかの治療計画を立て、その方の状況により計画を選択いたします。矯正期間について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。 - Q.2 ワイヤー矯正とインビザラインは矯正期間は異なりますか?
- A.2 歯並びの状態にもよりますが、矯正期間の違いはほとんどありません。
インビザラインの費用はいくら?安く済ませるコツと医療費控除について
インビザラインとは、透明なマウスピースを使用する歯列矯正です。今回はインビザラインの費用相場と、安く済ませるコツについてお伝えします。費用面が気になって矯正をためらっている方は、ぜひ参考にしてください。
部位別!インビザラインでかかる費用相場
歯列矯正を行う部分によって治療費の相場は変わってきます。
全体(奥歯まで含む) | 598,000~798,000円 |
部分(前歯のみなど) | 498,000円~ |
気になる部分のみの矯正を選ぶ方が、費用を安く済ませられます。しかし、かみ合わせまでしっかり治したいのであれば全体的に治療する方が満足度は高いでしょう。
また、矯正治療には装置以外にも、別途必要となる費用もあります。
検査・診断料 | 22,000円 |
通院費・調整料 | 2,200円 |
保定用装置 | 33,000円 |
光加速矯正装置 | 14~18万円 |
歯科医院によってかかる費用は異なるため、あらかじめ確認しておくと安心です。
デンタルローンで支払うことは可能?
デンタルローンは医療用ローンの一種で、審査が通ればインビザラインの費用を支払うことが可能です。
分割回数は本人の希望により変わるもので、回数によっては部分矯正で月々5千円から、全体矯正でも月々1万円弱から支払いを始められるものもあります。12回払いまででしたら金利手数料は当院で負担いたします。
デンタルローンは審査前のシミュレーションで、月々の返済額や期間・手数料を調べられるので安心です。
また、矯正治療開始前に審査を通すので、「支払いが発生しているのにデンタルローンを利用できない」といった心配はありません。
自費診療でも医療費控除は利用できる!
歯列矯正は保険適用外の自費治療となるケースがほとんどですが、申請を出せば医療費控除を受けられます。
ただし、実際に医療費控除を受けられるかは、税務署の判断となる点に注意してください。
また、医療費控除の申請後に税務署より診断書の提出を求められた場合は、通院先の歯科医院に診断書を作成してもらう必要があります。
予算内でインビザラインを始めたいならまずは歯科医へ
インビザラインにかかる費用や、治療にともなって必要となる費用は歯科医院によって異なります。
予算内でインビザラインを始めたい方は、初診の無料カウンセリングを利用して歯科医に相談してみるとよいでしょう。
当院では審美的な歯並びの改善だけでなく、かみ合わせも含めた機能改善を目指した矯正治療を心がけております。将来のリスクも含めてお話させていただきます。ぜひお気軽にご来院のうえ、ご相談ください。
<患者さんからよくいただく質問>
Q.1 部分矯正でも対応可能か分かりません。歯科医院に相談すればよいですか?
A.1 歯並びの状態によって変わるので、まずは矯正治療を行っている歯科医院に相談しましょう。
Q.2 ワイヤー矯正とインビザラインでは費用が異なりますか?
A.2 全体矯正を検討する場合、ワイヤー矯正の方がやや安いです。ただし、歯の裏側にワイヤーを装着する方法だと高額になります。目立ちにくい矯正方法で、より費用が安いのはインビザラインであるといえるでしょう。